アニメーション100年史-イントロダクション-

ブロガーもすなるディスる批評というものを一般人もしてみむとてするなり。のはずだったが、オスカー・フィッシンガー調べてたらすばらしいテキスト発見。
カートゥーン:アニメーション100年史
昔のこと知ってれば偉いってもんでもないし、見ると影響されるというのはあるけれども作品の元ネタとか、制作の仕組みを追っかけるのって楽しいと思うんだよね。本書は1988年に発表された作品なので、CGが発達した現在からすると古いところもあるし、アニメーションの評価が低かったために、必要以上に映画をけなしていたりするが、本質的なところは今でも十分に通用する。というか読んでいてわくわくする。
序文より

 実写映画とは対照的に、アニメーターが作品を作リ出す原料はただ一つ、人間の思考――様々な人々が物事や生物、その形態・運動・意味などから生み出した思考――だけである。彼らはこの思考を手作りのイメージによって表現する。アニメーターが練り上げたイメージは意図に基づいて連結されており、偶然の要素はない。したがって、作品制作には極めて長い時間がかかることになる。これは実写映画の比ではない。しかし、人間の思考のレパートリーは汲み尽くされることはない!

頼もしいw

 もっと説明に苦しむのは、例えばパリ芸術工芸美術館のような自動機械のコレクションにアニメーションが入っていないことだ。
 アニメーションが必要としている普及手段を、ビデオカセットがもたらしてくれると期待してもよいのだろうか?(注4)
4.〈原注〉何故なら、自宅で30回見返すために長編映画を購入する人間がいるだろうか?

こちらは完全に外れw

この作品を翻訳してくれている人はどうやら「と学会員」なのがひっかかるけど、変態的SFマニアからすると、「と学会」って埋もれてた作品を発掘してきてくれたので一方的にダメ出しできない。というか、これはすばらしい。