ひと相手の仕事はなぜ疲れるのか―感情労働の時代を読んで

ひと相手の仕事はなぜ疲れるのか―感情労働の時代

ひと相手の仕事はなぜ疲れるのか―感情労働の時代

この本に引用されているホックシールド感情労働の定義によると

(1)人々と面と向かっての接触あるいは声を通しての接触がある。
(2)働き手は、感謝や恐怖といった特定の感情状態を顧客に引き起こすことが求められる。
(3)雇用者は、訓練や指導監督を通じて働き手の感情面での活動を、ある程度コントロールすることができる。

と簡潔にかかれているのに、本書帯によると、

顧客をある特定の感情状態にするために、声のトーンや表情、態度を調節することによって自分の感情を管理する仕事を「感情労働」と呼びます。顧客と面と向かって応対する接客業や対人サービス業は、ほとんどこれに当てはまります。
仕事場ではあくまでも「職業としての自分」を演技しなければならないのです。それは「本当の自分」とは違う、周囲の期待に添うだけの「偽りの自己」であり、「にせ者」です。感情労働に習熟すればするほど、他人を欺く度合いが強くなっていき、本来の自分らしさが失われていく−これが感情労働の代償あるいは副作用です。その次に湧いてくるのは怒りでした。

身も蓋もない決め付け具合。本書抜粋と書いてあるが、どうも部分的に切り出してつなげた惹句だと思うが。著者が医療関係ということもあって、看護や介護職が善意でだけでは行えないということをかなり強調して書いているが、論理がコマッチャー並。全体的に寄せあわせの話ばかりで、アマゾンの商品説明の「『心が擦り切れないため』のノウハウ等を紹介はまったくなし。みんなでミーティングしてなんとかとかくらい。

だまされた感でいっぱいだが、自分を救うには他人の借り物ではなく、自分自身の理論を作らないとと改めて考えさせられたので、まぁよしとする。